令和の虎|「伝統を壊して進化させる」覚悟が虎の心を動かした——BONSAI新時代へ

令和の虎まとめ

緊張感漂う後半戦、虎たちの核心へ迫る質問が飛ぶ
出資希望額500万円に対し、虎たちから続々と前向きな反応が出始めた西岡悠太。だが、令和の虎は甘くない。後半戦では、より実務的な部分、そして志願者の“覚悟”に踏み込んだ質問が始まった。

林尚弘が口火を切った。

「西岡さん、SNSやワークショップの構想は理解できた。でも、これって“流行”に依存してる側面が強いよね?数年後も同じ需要があると思ってる?」

少し間を置いて、西岡は落ち着いた口調で答える。

「正直、流行だけに乗っているとは思っていません。SNSはあくまで“入口”です。そこで興味を持った方が、リアルで体験して、そこからコミュニティや継続的な趣味に発展していくような仕組みを作っています」

「なので、流行が過ぎた後も、例えば“マインドフルネス盆栽”などの定期講座や、オフィス・ホテル向けのレンタル盆栽サービスなど、複数の事業柱を用意しています」

虎たちの表情が変わる。単発ではなく、継続性を見据えていることが伝わったようだった。

「想いは強い。だが数字がなければ虎は動かない」

続いて、トモハッピーが厳しい表情で切り込む。

「君の“熱”はすごく伝わってくる。でも、ビジネスって“数字”がないと動けないよ。SNSでの実績って、実際どれだけ売上に繋がってるの?」

西岡はすかさずスライドを切り替えた。画面には、Instagramのインサイトと売上推移のグラフが並んでいた。

「SNS運用を開始した2024年3月から、半年でフォロワーは5,200人。そこから自社ECサイトへの流入が月間300件以上。平均購入単価は5,500円。直近3か月は、SNS経由での売上が全体の35%を占めるようになりました」

トモハッピーはグラフに目を通しながら頷いた。

「ふむ…じゃあ広告も打ってるってこと?」

「はい。現在はInstagramとYouTube Shortsに月5万円ほど広告投下しています。CPA(1件の購入につきかかるコスト)は平均1,800円程度です。改善余地はありますが、手応えを感じています」

「伝統文化を“現代仕様”にする覚悟があるか?」
次に口を開いたのは、桑田龍征だった。

「伝統文化を現代仕様に変えるって、場合によっては“反発”も起こるよね?職人や保守層からの否定とか、感じたことは?」

西岡はうなずいた。

「正直あります。“軽く見せるな”“文化を崩すな”という声も受けました。でも僕は、伝統を“守る”ために“進化”させる必要があると思っています」

「たとえば、ミニ盆栽やLED育成キット付きの初心者セットなど、従来の業界では“邪道”と言われかねないものも、今のユーザーには刺さっています。反発を恐れず、必要な改革はしていきます」

桑田はニヤリと笑った。

「いいね、その反骨心。ビジネスに必要なのは“批判されても突き進める胆力”だ」

資金の使い道、そして虎たちの判断へ

残る議題は、500万円という資金をどう具体的に使うのか。西岡は次のスライドで資金計画を提示した。

✅ 資金用途 内訳(500万円)

  • 浅草・京都ポップアップ型体験ブース設営費:250万円
  • SNS広告・インフルエンサー施策:100万円
  • 初心者向け盆栽キット開発・梱包資材:80万円
  • 多言語予約システムの構築・運用費:50万円
  • 予備運転資金:20万円

西岡は真剣な眼差しで虎たちを見渡した。

「このチャンスをものにするために、全力でやります。伝統を未来に繋げる、今がその分岐点だと思っています。出資、どうかお願いします」

虎たちは静かに、それぞれの判断を口にしていく。

虎たちの最終決断

細井龍:「俺は50万出す。君の話には実体がある。SNSで伸びる可能性、見えた」

稲葉信:「俺は100万。盆栽は思った以上にポテンシャルがある。インバウンド向けなら俺のノウハウも使える」

トモハッピー:「50万だけど、今後のマインドフルネス路線、かなり期待してる」

桑田龍征:「150万出す。ただし、通販と物流の仕組みはうちで支援させてもらうよ」

最後に、林尚弘が静かに口を開いた。

「俺は残り150万を出す。ただし、6か月後にちゃんと報告してくれ。数字の成長がなければ、次はないからな」

西岡 悠太、満額出資達成!
見事に希望額500万円、フル出資成立。志願者・西岡悠太の熱意と現実的な戦略が、虎たちを動かした。

彼が追い求めるのは、単なる“ビジネスの成功”ではない。
それは、「盆栽」という日本の伝統を、令和時代にもう一度、世界中の人々の心に届けるという、文化的な挑戦だった。

まとめ:令和に再定義される「BONSAI」の可能性

今回のプレゼンは、伝統文化がビジネスとしてどう生き残るかを問いかけるものだった。
志願者の“背水の陣”の姿勢、虎たちの鋭い視点、それに真っ向から答えた構想と覚悟——。

「文化は守るものではなく、伝えるもの」
その信念が、新たなビジネスの芽を育てようとしている。

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