令和の虎｜バン仲村が激怒、上京してスターを目指す大野健誠が挑んだ“令和の虎”という現実

令和の虎に舞い降りた“夢追い人”

令和の虎は、志ある起業家や夢追い人が「虎」と呼ばれる出資者たちの前でプレゼンテーションを行い、資金を調達するビジネスリアリティ番組だ。

その場で語られる夢には、現実が突きつけられ、時に厳しい言葉が飛び交うこともある。今回焦点を当てるのは、大野健誠氏。高知県出身の彼は、「芸能界でスターになる」という純粋な夢を胸に、虎たちの前に立った。

彼が求めたのは、東京での生活費や引っ越し費用を含めた300万円。だが、そのプレゼンは、視聴者に衝撃を与える展開へと進んでいく――。

プロフィール：大野健誠という人間

大野氏は、高知県で育ち、高校生の頃には「ハイスクールマンザイ」で日本一を獲得した経験も持つ。若くして地元メディアにも取り上げられ、表彰されるなど、周囲からは将来を期待される存在だった。

高校卒業後には漫才協会に所属し、東京で芸能活動を始めたが、わずか1年で地元に帰郷。その後は一般企業に就職し、営業マンとして働きながら、再び上京のチャンスを伺っていた。

彼の夢は“芸能界で生きていくこと”。しかしその内容は、やや漠然としていた。「女優やモデル、司会など、マルチに活動したい」「小池栄子のような存在になりたい」と語る彼に、虎たちは次第に不信感を募らせていく。

大野氏は「芸能界で成功したい」という情熱のもと、虎たちに300万円を求めた。その用途は主に以下の通りだ：

彼はかつてイエローキャブの面接を受けたことがあると話すが、現時点で正式に所属が決定しているわけではない。計画の甘さが露呈する中、虎たちの表情は次第に厳しくなっていった。

プレゼンが進むにつれ、ある虎が目に見えて苛立ちを募らせていく。それが、バン仲村こと仲村将太氏である。彼は、芸能・飲食・SNSなど、多方面で成功を収めている実業家。夢や情熱に理解のある一方で、甘い見通しや浅い覚悟には容赦がない。

大野氏の漠然とした夢語り、現実との乖離、根拠に乏しい数字に対して、仲村氏はこう言い放つ。

「全てがなめてる。これじゃあ誰も金出すわけないだろ。」
そして、畳みかけるように続ける。

「その程度の覚悟で300万円？舐めてるなんてレベルじゃない。」
この言葉により、番組の空気は一気に張り詰め、プレゼンの方向性は大きく変わっていく。

大野氏は一生懸命、自分の過去と想いを語る。しかし、それは虎たちにとって“思い出話”に過ぎず、“ビジネスの種”にはならなかった。

こうした問いに明確に答えられない大野氏に、虎たちは共通して「準備不足」を感じていた。情熱と夢は否定しない。だが、それを現実のものにするための努力や根拠が見えなければ、出資など到底できないというのが虎たちの考えだった。

この回は公開直後からSNSでも大きな話題を呼んだ。「バン仲村の言葉が刺さった」「甘く見てたら本当に人生が壊れる」という声と、「夢を語っただけでそんなに責めなくてもいいのでは」という意見もあった。

だが、令和の虎は“リアル”である。甘い夢を語るだけでは資金も信頼も得られないという現実を、赤裸々に描き出しているのだ。

令和の虎を通じて、夢を実現して出資を得る人には共通点がある。それは以下の3つだ

大野氏のプレゼンには、これらの要素が決定的に欠けていた。だからこそ、バン仲村の怒りは“感情論”ではなく、“期待が裏切られた失望”でもあった。

だが、大野氏にはまだ未来がある。彼の熱意や真っすぐな目は、本物であった。ただ、それを支える土台が足りなかったにすぎない。

この失敗を糧に、本気で芸能界を目指すなら、以下の3点が不可欠である。

夢の追い方を見直すことで、大野氏は再びチャンスを掴めるだろう。現代では、事務所に所属せずとも、自力でスターになるルートは無数に存在する。だからこそ、「夢に実力と戦略を」という言葉が今ほど響く時代もないのだ。

「全てがなめてる」――この言葉が発せられた瞬間、多くの視聴者の胸に刺さった。だが、その言葉には、成功者たちが歩んできた厳しさと、夢への本気の想いが詰まっている。

夢は、語るものではなく、行動で証明するもの。大野健誠氏がこれから“本気”を証明し続けることで、この日の経験が「ターニングポイント」となることを願ってやまない。